何度も訪れたくなるホテルづくりをしていく上で心がけていることは?
齊藤さん:
私たちはお客様に「サービス」をするのではなく「共感する」ことを大切にしています。私たちがサービスで何をできるかというよりもお客様がもっと宿泊・旅行・レストラン・宴会を楽しんでいただけるのかというマインドで全スタッフが働いています。
みなさんは、東京駅丸の内駅舎の中に100年を超えて多くの人の想いが受け継がれ、今も多くの人に愛され続けている人気ホテルがあるのをご存じですか?
今日は、私たちが実際東京ステーションホテルに足を運び、そこで実際に働かれている方の生の声をお聞きしてきたので、皆さんにも是非お伝えしたいと思います!
この記事を読んだあなたもきっと東京ステーションホテルに訪れたくなるのではないでしょうか?
東京ステーションホテルには「この先の100年も語り継がれるホテルであろう。先人たちの積み重ねとこのヘリテージに感謝して」というビジョンがあり、これまで様々な歴史を乗り越えてきました。ホテルは1915年に開業し、その8年後の1923年に関東大震災でホテル周辺の建物が倒壊し約8000人がホテルに身を寄せたこともあれば、第二次世界大戦で空襲によりホテルの3階部分が消失するなど歴史とともに姿を変えていきました。またホテルの従業員の方々は、ビジョンとともにコアバリューである「人に共感する」(詳しくは下記に記載)を大切にしているそうです。
齊藤さんは「100年間このホテルを繋いできてくださった方々がいたから今がある。そのためこの歴史を途絶えさせてはいけない」という想いで新型コロナウイルスの流行という世界的な危機を乗り越えたそうです。
また、この歴史を守り受け継ぐ為に新人の従業員が入った際にはホテルの歴史を学んだり、諸先輩方が実施しているホテルツアーに参加をしながらホテルについての理解を深めるとともにビジョンとコアバリューである「人に共感する」マインドを語り継いでいるそうです。
齊藤さん:
私たちはお客様に「サービス」をするのではなく「共感する」ことを大切にしています。私たちがサービスで何をできるかというよりもお客様がもっと宿泊・旅行・レストラン・宴会を楽しんでいただけるのかというマインドで全スタッフが働いています。
これは「Our promise」というもので、1冊は2012年の再開業のときに作成されたホテルの経営理念やコンセプトが書かれたものです。もう1冊は2018年にスタッフ自らが作った新版で、Core Valueが追加されました。迷った時はここに戻ってくる、日々大切にしているもの。全スタッフが携帯しているそうです。
学生:
齊藤さんがお客様と接する上で心がけていることは何ですか?
齊藤さん:
「このお客様が自分の家族だったら」と考えるようにしています。例えば電車にお年寄りの方がいて、もし自分のおばあちゃんだったら席を譲りますよね?このようにお客様が自分の家族だとしたらここまでしてほしいのではないか、このようにしたら喜んでくれるのではないかと考えるようにしています。
齊藤さん:
ホテルは、毎日いろんなお客様がいらっしゃいます。コンシェルジュのお仕事をしていると、観光について聞かれたり、おすすめのレストランや、忘れ物、新幹線のチケットの取り方など…毎日がドラマのようで、今日はどんなことが起こるのだろうとワクワクしながら毎日働いています。お客様に喜んでいただいて、また東京ステーションホテルに訪れたいと思っていただきたいと日々思っています。
このドームは面白い要素がいっぱいでした。
今回は2つ紹介させていただきます。まだまだここには載せきれないほどこのドームには面白いお話がたくさんあるのでぜひ実際に足を運んでみてください。
1. ドームの天辺
ドームの天辺には機関車をモチーフにした「車輪」が。そしてその周りには「クレマチス」が。ちなみにクレマチスの花言葉は「旅人の喜び」です。
2. 干支のレリーフ
緑色の丸の中には八角形の方位にしたがって干支のうちの八支の彫刻があります。
ちなみにここには子(北)、卯(東)、午(南)、酉(西)の四支がいません。
残りの四支はどこへ?
東京駅と同時期に建設された武雄温泉楼門(辰野金吾設計)の2階天井の四隅に、東京駅にはない四支(子・卯・午・酉)の彫り絵があるとか…関係性はわかりません。
お話を聞かせていただき東京ステーションホテルは、多くの人に愛されている素敵なホテルだと感じました。また、ホテルの楽しみ方は訪れる方の目的によって異なると思います。いつ訪れてもきっと素敵な思い出が作れる東京ステーションホテルにぜひ足を運んでみてください。
この記事を読んでくださった方に少しでも東京ステーションホテルの魅力が伝わっていると嬉しいです。